「しこり」「おでき」「皮膚のできもの」 の治療は必要?
粉瘤(ふんりゅう)はアテロームとも呼ばれ、角質をつくる細胞でできた袋が皮膚の中に生じ、徐々に袋の中に角質がたまって大きくなっていく腫瘍です。中心部に黒点状の開口部があります。
細菌の感染を起こすと赤く腫れて膿がたまり、痛みを生じることがあります。
痛み・違和感のないうちに取ってしまった方が無難
できれば、何の症状もないうちに手術で袋をそっくり取り除いたほうがよいです。
細菌の感染を起こしてしまった場合は、軽度の場合は抗生物質の内服と外用で様子をみますが、炎症が進んだ場合は切開してたまった膿を出す必要があります。
摘出手術
まずは粉瘤のサイズに合わせてマーキングをしていきます。
マーキング後、粉瘤の袋を取り出すため、紡錘形の切開線を引いていきます。
局所麻酔を行った後、実際に切開を行い粉瘤を取りだしていきます。
粉瘤を摘出後は内部が空洞になっています。
そのため、まずは内部の縫合(真皮縫合)を行い、その後切開線に合わせて表面の縫合(表皮縫合)を行います。
これで手術は完了となります。
費用について
粉瘤の治療にあたっては、診断・検査・手術・病理検査に対して健康保険が利用できます。
手術費用(3割負担の場合) | 5,000~12,000円 |
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※費用は部位、大きさによって変動します
よくある質問Q&A
- 粉瘤は手術をしないと治りませんか?
- 残念ながら、粉瘤は自然に治癒することはありません。
手術で嚢胞(粉瘤の袋)を取り出す必要があります。
ご自身で粉瘤を潰した場合も嚢胞が残った状態ですので、再発する可能性が高くなります。 - 粉瘤は取らないといけないものですか?
- 粉瘤は良性のものですので必ず取らないといけないわけではありません。
ですが、治療には手術が必要になります。残ったままの状態ですと、細菌に感染したり悪性化する可能性もありますので、できれば手術で摘出した方が無難です。 - 保険証は使って治療できますか?
- はい。粉瘤の治療は保険診療で行うことができます。
- 手術と聞くと怖いです。痛みはありますか?
- 局所麻酔を使用して行いますので、麻酔の注射時に少し痛みはあります。
ですが手術中の痛みはほとんどありません。 - 手術後に痛みは残りますか?
- 粉瘤の大きさによって異なりますが、場合によっては翌日まで痛みが残る場合があります。
手術後のケアとして痛み止めの内服薬も処方いたしますので、ご安心ください。 - 手術後の入浴はできますか?
- 手術を行った翌日からシャワーが浴びていただけます。
- 抜糸までの期間はどれくらいですか?
- 部位によりますが、1~2週間程度とお考えください。